
発達障害のある方は、多くの人たちと違って、生まれつき脳の働きにユニークさがあります。このため、とても得意なことがあるのに、なんでもないようなことがすごく苦手… というかたよりとして現れ、誤解されやすく、とても困っている人たちです。
しかし、周りの方達のあたたかい理解と支えがあれば、そのユニークさやかたよりも個性として、ともに元気に生きていける人たちです。
『発達障害』という言葉は、様々な分野でそれぞれの意味で用いられています。ここでは、平成17年4月1日に施行された『発達障害者支援法』にもとづいて説明します。
支援法による『発達障害』の定義は次のようになります発達障害とは? 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
原因は? ●原因は今のところ特定されていません。遺伝その他の要因が複雑に絡み合って現れるものと考えられています。
●脳機能の障害からくるもので、育て方などが原因となるものではありません。
予後は?
●現在のところ、軽症化することはあっても、通常風邪が治るように完全に治るとは考えられていません。予後については障害の種類、程度、個人差によって違いがあります。
●一方的に本人に努力を強いて、苦手な所を克服させようとすることは、時に本人を追いつめてしまい、心や行動にさらなる問題を負わせてしまう危険性があります。ひとりひとりの特性と発達段階を理解し、それに合わせて環境やかかわり方を工夫して、育て関わることにより、暮らしにくさが減り、その人らしく生きていきやすくなります。
本人・家族のかたはどのようなことで困るのか? ●そうであると気付かれにくいため、本人が適切な配慮や対応が受けられないままになってしまうことがあります。
●わがままであるとか、しつけができてない、努力が足りないなど誤解されやすく、本人家族ともに傷つくことがあります。
●必要な支援が充分知られてなく、生涯を通じて一貫した支援が得られにくいことがあります。
●このようなことから、追いつめられ、さらに心や行動に問題(二次障害)を負ってしまうこともあります。
●知的障害がない場合、受けられるサービスや支援の乏しいのが現状です。
●育て方や関わり方に難しさがあったり、周りの人との関係を調整すること、理解してもらうための努力、将来の不安など、家族の負担にも大きいものがあります。
最後に・・・ 発明王のエジソン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、作曲家のエリック・サティ etc…などは、発達障害であった可能性が高いと言われています。また現在でも、発達障害をもちながら働き、地域で生活している人、得意なところを生かし社会的に成功を収めている人もたくさんいます。
つまり、周りの理解が得られ、適切に育てられ関わってもらえれば、それだけ少ない支援で、または特に支援がなくとも、生活していける可能性を持っている人たちです。それだけに周りの人たちの理解や支援がとても重要になります。
愛知発達障害支援センター